山折哲雄先生と森陶岳先生(2)
予告 
特別展「森陶岳の世界」開催
2006年5月20日(土)・21日(日)
場所 豊池美術店1階 ギャラリー 
時間 午前10時〜午後6時
山折先生(以下敬称略)
「大窯を一度焼成するにはどのくらいの期間を必要としますか」

陶岳先生(以下敬称略)「その時の気候状況により、多少は異なりますが、窯詰め二ヶ月・窯焚き二ヶ月・窯の冷まし二ヶ月の後に徐々に日数をかけて窯の外気との兼ね合いで作品を窯出ししていきます。
山折「ホーツ、60日間に亘り大窯を焚き続けるのですか。その間、睡眠はどうなさっていますか?」
陶岳「3時間仮眠して、3時間起きて、一門の者、お手伝い下さる方を見廻ります。この繰り返しです。その為に一度大窯を焚く事を計画すると、実際に窯焚きに入る前に食べなくても維持できる体調に徐々に身体を慣らし、調節してから向かいます。」
山折「うーむ、断食・断水・断眠は密教修行にもカトリック修道僧にも共通する事柄です。貴方の為さっている事は将に行(ぎょう)ですね。私は比叡山で千日回峯行を二度も行ぜられた坂井老師にお話を伺った事があります。今、その時の事を思い浮かべました。」
陶岳「大窯を焚く為には、このような方法は必要な事です。昔、我々の先祖たちも同じ事を行って来たと想います。その事を遠い記憶として身体全体で感じることがあります。大窯を焚かせて頂いていることをありがたく想います。」
山折「かつてなかった素晴らしいやきものが出来るはずです。どんどん好く成って行くのが本来の姿です。」